あぶら{食用油脂}

あぶらは漢字で常温で液体のものを「油」 固体のものを「脂」【広辞苑】とあります。日頃天ぷらやサラダなどに使う油は植物から作り、植物油と言われます。 また動物の脂はラードや乳製品{バター}など動物油脂と呼ばれます。 よく言われることは植物油脂は良くて、動物油脂は体に悪いなど原料からの一面で判断し、カロリー、コレステロールなどと結び付けて商品販売では利用されますが、本当でしょうか? どうも単純な比較での判断のようです。

植物油

 主な原料は菜種、大豆、パーム{ヤシ}、コーン、米、ごま など  様々な原料から作られます。 現代ほど植物油が安価で、大量に製造、消費されるようになったのはその製造方法が工業製品のような大量製造が 可能になった戦後のことです。植物の種子、小さな穀物からの油を取り出す製造は大変な労力と費用が必要でした。化学薬品と大規模なコンビナートでの油の製造は一面では大変な進歩ですが、安全と油の味、輸入原料を大量に使用する弊害もあるようです。

製造方法

圧搾法

昔からの製法。 原料を物理的な方法{現代では機械} で加熱と圧力で絞る方法。現在圧搾法で作られている主な植物油は胡麻油、菜種油,オリーブオイルなど一部に限られています。 圧搾法での油には原料植物の味が良く出ます。どちらかといえば物理的、小規模な製造方式。

抽出法

化学薬品(ノルマルヘキサン)を利用して、油を抽出 {ベンジンのしみ抜きのような手段}する方法。大量の原料がコストを低く製油でき、大量の油粕は様々な食品や飼料に利用。 醤油、味噌などの原料表示に記載の脱脂加工大豆が一例です。過去に食品公害事件{カネミ油症} も起きた製油製清法です。 一般流通の殆どの天ぷら、サラダ油は輸入原料 を大規模工場で抽出、精製した油です。 価格も安価で、均一で安定した油 ですが、一方製品精製が良く、原料植物の味が判りにくい油です。

この他は圧搾と抽出の両方を使う圧抽法などもあります。 製造法のみで良し悪しの判断は出来ませんが、良い植物油を選ぶ上では大切な点です。

消費者は価格の安さ、メーカーの広告宣伝からだけではなく、使用目的や買いやすさ、価格は当然のことながら、原料や製法の安全性、味、などにも関心を持って選びたいものです。

 


コメントを残す