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菓子 其の二

豆菓子

豆は古くから世界で又日本でも利用されてきた穀物です。

奈良、平安の時代には大陸との文化交流が盛んになり、唐菓子が日本に上陸、室町から安土桃山時代には茶道の普及もあり、豆類の加工、製菓の基礎が出来たようです。ただ一般の人に豆菓子が食べられるようになったのは江戸時代で、そして明治大正には全盛期を迎えました。豆は菓子のみでなく、携帯食や信仰の供物としても用いられ、庶民の生活で親しまれる菓子になっています。

大豆、あずき、落花生などで日本各地では様々な菓子が作られます。煎る、ゆでる、砂糖、醤油、あめなどで加工するシンプルな菓子ゆえ、素材{原料の良さ}と丁寧な仕事、まじめな職人仕事が味に出ます。味付けに化学調味料や、過度な着色、不自然な着香は本来の原料の質の悪さをごまかすために使われるのは残念なことです。

豆菓子に使われる豆色々大豆黄大豆、青大豆味噌、醤油、きなこの原料になる。国産大豆は外国産に比して、タンパク質が多く美味しい。落花生{ピーナッツ}別名:南京豆油分(脂質)が多くビタミン(B2,E)も豊富、甘味があり世界中で食されている。そのほかに、あずき、黒豆、えんどう豆、そら豆など。。。。。
熊野屋

菓子 其の一

チョコレート

チョコレートの歴史は4000年とも言われています。最初はカカオの産地の中央アメリカの先住民の苦い飲み物でした。今日のような菓子のチョコレートの歴史はわずか100年程とも言われます。コロンブスのアメリカ大陸発見の結果、様々な作物がヨーロッパに伝えられ、今日の世界の多様な食生活の元になった一つがチョコレートです。

ヨーロッパに最初にチョコラトル{カカオの水の意味}を持ち込んだのはスペインでした。苦い飲み物に砂糖、バニラなどが加わり、イタリア、フランスなどへと広まりました。カカオ豆は収穫後、乾燥、醗酵処理などされ、ココア豆と呼ばれます。ココア豆をすり潰してココアマス、ココアマスを圧搾して分離した油脂がココアバター、お湯に溶かして飲むものがココアになります。ちなみに白いチョコレートは油脂のココアバターを原料に作りますので、茶色ではありません。

菓子としてのチョコレートの進化はイギリス、そして酪農国スイスでミルクと組み合わされ、今や嗜好品の王様に変身しました。ヨーロッパ各地では様々なチョコレートが作られ、日本でも大正時代に製造が始まり、今ではヨーロッパに負けないほどのチョコレート愛好家が多くいます。

チョコレートの効用と誤解どのような食べ物にも良い点、悪い点があります。最近はチョコレートのカカオ・ポリフェノールの効能が騒がれ、また一方ではカロリー摂取や虫歯が出来る、食べすぎると鼻血が出るなどの誤解も多く、私たちは正確な情報の下、質の良い美味しいチョコレートを適度に、カカオの学名のテオブロ・カカオ「神々の食物カカオ」の神秘性、愛らしさや濃厚さなどを感じて楽しみたいものです。

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飲料水 其の二

清涼飲料水 ラムネ

ラムネは元々は舶来の飲み物でした。明治に日本に炭酸水が紹介され、140年も経つと、もう立派な日本を代表する清涼飲料水です。

第二次大戦後、舶来好きな日本人はアメリカなどからやって来た新しいドリンク{コーラなど}に飛びつきました。 その影で無色の甘い炭酸水の単純なラムネは端に追いやられました。今では製造所は消え行くばかり、その姿もプラスチック容器の安物の飲み物と見られています。

明治に横浜居留地で初めてラムネがイギリス人により製造、{長崎が最初の説もあります}販売された時、ラムネは薬のように販売されました。

ビー玉(ガラス玉)を炭酸ガスの力で内側から密閉するラムネ瓶はイギリス生まれの画期的な発明品(1872年明治二年)でした。しかし、その後アメリカで発明された王冠による封印法が簡単で安価なことから、今では日本のラムネに残るのみです。 ラムネの名前はレモネード{レモン味の炭酸水}から来たともいわれ、その味は長く日本人に親しまれてきました。

ラムネの良さはガラス玉とガラスが織り成す清涼感と、無色でやさしい甘さ、それと人々がラムネにもつ郷愁(なにか心安らぐ甘美な思い・・ 夏、盆踊り、縁日、夏休み、帰郷、小さな頃の思い出など。。)他の流行ばかりを追い求める今の不思議、不自然な清涼飲料水とは世界が違います。

 

* ラムネ飲むみな善良な顔ばかり   小山翠静

ラムネ飲む玉ころころと楽しけれ  天野はつ

絶えず小言いはれし頃とラムネの味 中村草田男

 

 

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清涼飲料水

 飲料水とは人が飲むのに適した水との説明があり、清涼飲料水とはのどの渇きをいやし、清涼感をおぼえさせる非アルコール性飲料と広辞苑には述べられています。 人は水なしでは生きられず、また地球は水の惑星とも呼ばれ、水ほど大切なものはないと思われますが身近にありすぎ、あまり深く考えないのが日本人のようです。

世界の中では飲料水に困る土地、人も多く、我々日本人ほど恵まれた環境にいる民族は少ないようです。食品として水をソフトドリンク{ハードドリンク:アルコールを含む飲料}と考え、お話し続けます。

茶系飲料{お茶} 果実系飲料{ジュース} 炭酸飲料 コーヒー そして乳飲料 と ミネラルウオーター 様々な飲料がありますが、現代の日本では水ビジネスの大きな一つがソフトドリンクビジネスです。

お茶やコーヒーは茶葉や豆を急須やポット、フィルター等の道具で抽出し飲んでいますが、今の日本ではスーパーやコンビニのペットボトルや缶の容器入りの飲み物が主流になりつつあります。便利で良い点もありますが一方では別の問題もあるようです。

ペットボトル症候群と問題視される糖分の過剰摂取やカロリーオフを謳う人工甘味料{アスパラテーム等の新甘味料}の安全性の問題は注意しなければなりません。健康への影響としてう蝕{虫歯の増加}、肥満、糖尿病、結石、痛風、骨など、又環境問題としてプラスチック製品の過剰生産と廃棄{ゴミ}などの問題も指摘されています。

私たちはどの様に考え、ソフトドリンク類と付き合ってゆけば良いのでしょうか。